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Mamiko Someda

グレツキのチェンバロコンチェルト作品から今感じること

ヘンリク・グレツキのチェンバロ協奏曲は、ポーランドラジオ音楽局からの依頼を受けて、

チェンバロ奏者のエリザベス・ホイナツカのために作曲されました。


初演は、1980年3月、カトヴィッツェ(発音わかりません)で行われ、

チェンバロのホイナツカとポーランド放送交響楽団が演奏しました。


今の自分が、作品から感じることを。。



冒頭からの繰り返される音型が回転しているようにも感じ、また、弦楽の引き伸ばされた音とともにチェンバロのその回転のエネルギーによって力強く前へ前へと進んで行くように感じます。


同じ音型を繰り返しながら、どんどんエネルギーの色が変わっていく。


深い黒い青、緑、時折現れる灰色、黄色、すごく濃い赤と。。


第1楽章最後の方に現れるP.G.、張り詰める緊張感が最高潮に達します。


冒頭から始まった、強く意思(意志)のあるエネルギーを持つ、いわば短調の音階の世界が、

1楽章最後に突如現れる長三和音の響きによって、次に続く楽章を予感させます。


第2楽章は、打って変わって森の緑の匂いがする空気をたくさん吸い込んで駆け回るような喜びにあふれたように明るく始まりますが、チェンバロの左手に現れる不協和音によって再び緊張状態へ持っていかれます。


第2楽章では、2つの人格が見え隠れするようにも感じています。

もしくは、2つの感情、さらにもう少し複雑なのかもしれません。


次第に弦楽が刻む和音の世界へと引き込まれていきます。


一見開放されたかのような喜びに見えるその表情の裏に、蠢く締め付けられるような黒いエネルギー、もしくは、その黒いエネルギーの後ろ(先)には、喜びがあるのかもしれない。

もしくは常に共存し表裏一体なのかもしれない。




とりあえず、色もすごくてエネルギーの動きを強く感じる作品やなと感じています。



同じ作品でも、幼い頃に弾いた作品、大学時代に弾いた作品に再度取り組むと、

新しい発見、当時とは別の印象、感情を持ちます。


この作品も数年後、また向き合うと、きっと違うものが見えてくるんでしょうね。


そのとき、その時感じるモノを大切にしたい。




この作品は、2021年7月25日(日)、19時開演で宝塚ベガホールで演奏させていただきます。

他の作品でもチェンバロ演奏することが決まり、楽しみです。


ご予約は、私までしていただくと、

現在でしたら、比較的前の方のお席をご用意できますので、こちらからご連絡くださいね!











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