昨日は、生きていらっしゃれば80歳になれた エリザベス・ホイナツカ(Elisabeth Chojnacka)さんのお誕生日でした。
彼女は、1939年にポーランドのワルシャワで9月10日に生まれ、2017年5月28日にパリで亡くなられています。
わたしが自分の中で、彼女の存在をしっかりと認識したのは、フランスに渡って現代ものに興味を持った頃でした。
その頃は兎に角たくさんのコンテンポラリーの作品に触れたいと、音楽院の図書館で探して楽譜リストを作っていました。
そこで見たのは、アンサンブルを含むチェンバロの作品の多くが、Elisabeth Chojnacka という人物に捧げられていた事でした。
図書館の楽譜でよく見る名前の人物を夢中で色々と調べていると、次第と彼女はコンテンポラリーを本当に数多く演奏されていることがわかりました。
ヴィデオで彼女を見たときには、
その風貌もさることながら、彼女の類い稀なテクニック、楽譜の解釈力、内から溢れ出すみなぎるエネルギー、音楽への熱情に圧倒されました。
彼女の演奏を生で聴くことは叶いませんでしたが、彼女が残したエッセイから、作曲家とのやりとり、彼女が歩んだ道を垣間見、力をもらっています。
彼女が、現代の楽器としてチェンバロが存在してほしいと願ったように
これからも、私たちと共に今の時代、この先の時代を生きて行ってほしいと思います。
一度は表舞台から姿を消したチェンバロが古楽復興運動の中で蘇り、
またその中でその時代を共に生きた作曲家たちが、モダンチェンバロのために、あるいはヒストリカルチェンバロのために作品を残しました。
今このとてつもないスピードで発展していく時代に生きる私たちが、どんな風にチェンバロと歩んでいくのか、とても楽しみです。
この先もチェンバロが人びとから愛され、そして人びとを優しく包んでくれる存在であることを願っています。
エリザベス・ホイナツカさんの誕生日に寄せて
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