top of page

更新日:2020年7月29日

今年の長い梅雨、天気予報も大幅に外れる日もり、洗濯すればよかった~なんて日もありました。


洗濯物もなかなか乾かないですね。。





さて、1750年の今日、7月28日は、あの大バッハが亡くなられた日です。


現在は、ドイツのライプツィヒにある、聖トーマス教会にいらっしゃいます。

わたしも何度か手を合わせに行かせていただきました。


オルガンの音色が耳に残っています。

(聖トーマス教会)


ライプツィヒの街の様子は、またおいおい登場させたいと思うので、ひとまず横においときます。




この新型ウイルスの感染が拡大し始めた2月末、一つの作品に出会いました。




Ist es möglich ohne B-A-C-H ?

日本語では

B-A-C-H (バッハ)なしなんてあり得る?

のように訳すことができるでしょうか。

ハンガリーの作曲家、Láng István(1933-) さんが2000年に作曲され、2004年に出版されています。

今年で、87歳になられるんですね!


この作品は、

リュートストップを使うところへの指示があるものの、

その他のレジスターの選択は、演奏者にゆだねるとの文言が作品の最後に書かれています。


演奏ピッチについては、何も触れられていないので、

モダンピッチ440~442hz、バロック時代のピッチ415hzでもどちらでもよいかもしれません。

作曲家さんによっては、ピッチ指定をされている方もいらっしゃいます。

調律法の指定も見当たらないので、古典調律は膨大にあるので、

もし古典調律を用いて演奏してほしい場合は、

コンテンポラリー作品において作曲家の方が、支持されていることが多いです。

そういった点から、この作品は平均律での演奏が濃厚となるでしょう。

題名に戻ると、、

B-A-C-H これは、もう、ドイツ語音名!!

B: シ♭    A: ラ     C: ド     H: シ

この B-A-C-H が、音の順番や高さを変えながら、作品を通して現れます。

副題に、ファンタジーとついているように、大変自由なスタイルです。

さて~どれどれ~、と弾き始めると、、

鍵盤が足りない!!

この作品、高い ソ の音が登場するのです!


!? さては、スカルラッティイタリアンでの演奏を求められているのか !?






スカルラッティイタリアンは、音域が広くて高いソも難なく演奏できるのです。

早く 高いソがあるチェンバロに出会って、この作品を演奏したいと思います。

我が家のチェンバロは、ファ までなのですー!

できれば、この作品を命日を迎えるバッハさんに捧げたかったなぁ。








大好きな作曲家のおひとり、ヨハン・セバスティアン・バッハさんの命日に寄せて。


閲覧数:23回0件のコメント

久保田早紀さん 《異邦人》


197910月1日に発売され、大ヒットした曲ですね。



わたしは、そのころを知りませんが、

当時を生きた世代の方々は誰でも知っているほどの大ヒット作品。




先日、ひょんなことから、その時代をまさしく生きていた父から


久保田早紀さんの 《異邦人》 を教えてもらいました。





どれどれ~どんな曲なんだろう    と開けてみると、


モダンチェンバロではありませんか!!!



古楽復興の動きの中で生まれた、モダンチェンバロが日本でも広まっていた時期ですね。



もしかすると、この場面をリアルタイムで聴かれていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。





他の動画では、ピアノで弾き歌いされているようですので、


この時だけ、特別に モダンチェンバロで演奏されたのでしょうか。



手元が映るアングルをよく見てみると かすかに


Neupert


と、文字が見え ノイペルト社が製作した、チェンバロであることがうかがえます。







ノイペルト社のモダンチェンバロは、演奏会で何度か演奏させていただいたことがあります。



写真は、2008年に出演させていただいたコンサート時のものです。

(ノイペルト社のモダンチェンバロ)




同じく出演されていた、マリンバ奏者の波木基子さんのブログより拝借させていただきました。



お客様が、ケーキやコーヒーを召し上がりながら演奏を楽しむという、


とっても素敵な企画のコンサートに出演させてただ来ました。




このころは、まだコンテンポラリーの世界に覚醒する前だったので、


お話ししながらバロック時代の作品を演奏させてただ来ました!






その後、覚醒後(!)フランスから帰国して、再び伺わせていただき、


コンテンポラリーを試弾させていただきました!




ヒストリカルチェンバロとは鍵盤の重さは全然違い、


モダンチェンバロの方が重いという感覚です。





ストップ操作も足ペダルでできるようになっており


両手がふさがっていても、ピアノの足ペダルのように操作ができます。








異邦人へ、お話しを戻しますと、


このころに、どんな動きがあって、モダンチェンバロを使うことになったか、わかりませんが、


クラッシックと呼ばれる世界だけにとどまらず、


モダンチェンバロがこのような場面で演奏されている、という事実は、とても嬉しく感じます。




モダンチェンバロの弾きが、この作品のオリエンタルな雰囲気を、


一層高めているようにも思います。




素晴らしい歌声と旋律と、なんども聴いていたくなる作品です。



閲覧数:233回0件のコメント

更新日:2020年12月31日


今日、7月5日は、ポーランド人のチェンバロ奏者、

ワンダ・ランドフスカWanda Landowska(1879-1959)さんのお誕生日!

彼女といえば、やはり モダンチェンバロ が思い浮かびますね!


プレイエル社に構想を持ち込み、ランドフスカが設計したランドフスカモデルのチェンバロが誕生、1912年のブレスラウ音楽祭でお披露目されました。

彼女は20世紀にチェンバロ復興した立役者、バロック音楽の普及に努める傍ら

その同じ時代を生きる作曲家に作品を委嘱しています。


以下のランドフスカが委嘱した作品、21世紀の現在もしばしば演奏されています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

《クラヴサン協奏曲》

ファリャManuel de Falla y Matheu(1876-1946)が1926年に作曲したチェンバロ協奏曲

《田園のコンセール》

フランシス・プーランクFrancis Jean Marcel Poulenc (1899-1963)が1927年に作曲したチェンバロ協奏曲。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

古楽復興の中で誕生したこのモダンチェンバロは、バロック時代17世紀・18世紀に活躍したチェンバロを復元したヒストリカルチェンバロが次第に主流になり、


現在はかなり数が少なくなっているので、なかなかお目にかかれなくなりました。



フランスで興味関心を持ち、コンテンポラリーを演奏するようになって、


このモダンチェンバロがたくさん演奏されていた時期に作曲された楽譜には、


ストップの指示を見ているとモダンチェンバロのために作曲されたと推察できる作品に、何度かこれまで出会ってきました。


モダンチェンバロになかなか触れ合えなくなった私たちチェンバロ奏者は、


目の前にあるヒストリカルチェンバロで、

どのように作曲家がモダンチェンバロに求めた作品の世界を表現できるか、迫っています。





これまでモダンチェンバロを指弾させていただける機会や演奏会で使用させていただける機会があり、改めてその作品をモダンチェンバロで演奏すると、


そうか!これが作曲家求めている音色の世界!


とたくさんのことを気づかせてくれます。


百聞は一見に如かずなんですね!痛感!

今現在は、ヒストリカルチェンバロがたくさん演奏されるようになっていて、

モダンチェンバロを所有しているホールやサロン・学校も少ないですが、

もう少し時代が進めば、


モダンチェンバロの作品は、モダンチェンバロで演奏しましょう・・


と提唱される日が来るのかもしれません。


時に、


モダンチェンバロは、チェンバロじゃない!!!


というように、避けられたり敬遠されたりすることもあるモダンチェンバロ。



もちろんヒストリカルチェンバロとは、

楽器の構造、音量も音質もそしてタッチや、レジスターなど、全然違うので、

ヒストリカルチェンバロに慣れ親しんで、モダンチェンバロを聴くとその違いに驚くんですよね!



わたしは、もれなくその一人で、当初かなり驚きました。


なんじゃこれ~! チェンバロなの~?!


みたいな感じでした。



バロック時代の作品、古楽復興に誕生した作品、そして今自分が生きているこの時代に生まれる作品に触れ、演奏するようになって、


モダンチェンバロは、古楽復興という時代に現れた、一つの楽器として、とても貴重な存在だとわたしは感じています。




もはやもう ”モダン” と付けることさえもはばかられるくらい、わたしがいなくなった先の未来でも、

このモダンチェンバロがヒストリカルチェンバロとともに演奏され続けていることを願います。




記事を書いている間に、日付が変わってしまいました!!


それでは 最後に、古楽復興の時代を生きたランドフスカさんの演奏をお聴きください。



閲覧数:231回0件のコメント
bottom of page