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Mamiko Someda

モダンチェンバロの誕生と未来

更新日:2020年12月31日


今日、7月5日は、ポーランド人のチェンバロ奏者、

ワンダ・ランドフスカWanda Landowska(1879-1959)さんのお誕生日!

彼女といえば、やはり モダンチェンバロ が思い浮かびますね!


プレイエル社に構想を持ち込み、ランドフスカが設計したランドフスカモデルのチェンバロが誕生、1912年のブレスラウ音楽祭でお披露目されました。

彼女は20世紀にチェンバロ復興した立役者、バロック音楽の普及に努める傍ら

その同じ時代を生きる作曲家に作品を委嘱しています。


以下のランドフスカが委嘱した作品、21世紀の現在もしばしば演奏されています。

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《クラヴサン協奏曲》

ファリャManuel de Falla y Matheu(1876-1946)が1926年に作曲したチェンバロ協奏曲

《田園のコンセール》

フランシス・プーランクFrancis Jean Marcel Poulenc (1899-1963)が1927年に作曲したチェンバロ協奏曲。

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古楽復興の中で誕生したこのモダンチェンバロは、バロック時代17世紀・18世紀に活躍したチェンバロを復元したヒストリカルチェンバロが次第に主流になり、


現在はかなり数が少なくなっているので、なかなかお目にかかれなくなりました。



フランスで興味関心を持ち、コンテンポラリーを演奏するようになって、


このモダンチェンバロがたくさん演奏されていた時期に作曲された楽譜には、


ストップの指示を見ているとモダンチェンバロのために作曲されたと推察できる作品に、何度かこれまで出会ってきました。


モダンチェンバロになかなか触れ合えなくなった私たちチェンバロ奏者は、


目の前にあるヒストリカルチェンバロで、

どのように作曲家がモダンチェンバロに求めた作品の世界を表現できるか、迫っています。





これまでモダンチェンバロを指弾させていただける機会や演奏会で使用させていただける機会があり、改めてその作品をモダンチェンバロで演奏すると、


そうか!これが作曲家求めている音色の世界!


とたくさんのことを気づかせてくれます。


百聞は一見に如かずなんですね!痛感!

今現在は、ヒストリカルチェンバロがたくさん演奏されるようになっていて、

モダンチェンバロを所有しているホールやサロン・学校も少ないですが、

もう少し時代が進めば、


モダンチェンバロの作品は、モダンチェンバロで演奏しましょう・・


と提唱される日が来るのかもしれません。


時に、


モダンチェンバロは、チェンバロじゃない!!!


というように、避けられたり敬遠されたりすることもあるモダンチェンバロ。



もちろんヒストリカルチェンバロとは、

楽器の構造、音量も音質もそしてタッチや、レジスターなど、全然違うので、

ヒストリカルチェンバロに慣れ親しんで、モダンチェンバロを聴くとその違いに驚くんですよね!



わたしは、もれなくその一人で、当初かなり驚きました。


なんじゃこれ~! チェンバロなの~?!


みたいな感じでした。



バロック時代の作品、古楽復興に誕生した作品、そして今自分が生きているこの時代に生まれる作品に触れ、演奏するようになって、


モダンチェンバロは、古楽復興という時代に現れた、一つの楽器として、とても貴重な存在だとわたしは感じています。




もはやもう ”モダン” と付けることさえもはばかられるくらい、わたしがいなくなった先の未来でも、

このモダンチェンバロがヒストリカルチェンバロとともに演奏され続けていることを願います。




記事を書いている間に、日付が変わってしまいました!!


それでは 最後に、古楽復興の時代を生きたランドフスカさんの演奏をお聴きください。



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