そのためか、家のあちこちで、例年には見られない現象が起きています。
夏本番になりましたが、今年はなかなか動きづらくて、海なし県に住む私としては、海を見たいな~なんて思うのですが、それも、なかなか難しそうですね。
わたしにとって、海は地球が一つの星であることを感じさせてくれます。
この星のたくさんの人々の暮らし、たくさんの生物、植物。
日々の生活の中での色々な考え事や悩み事も、その時だけは、忘れさせてくれる気がしています。
さて、今回は、大きな影響を受けた授業、マルコ(テアトルの先生)のテアトルの授業についてです。
フランスでは、本当にいろんな分野、専攻の先生、生徒と交流することができました。
フランス語がまだまだ、なかなかうまく話せない留学初期から帰国するまで、
このテアトルの先生、マルコが、本当に素晴らしい先生でした。
1人1人の表現を決して否定せず、個性を引き出し、上手く伸ばしてくださる方でした。
わたしは、人前で演技をすることも、話をすることも、あまり上手にこなせる方ではないので、
どちらかと言えば、テアトルに向いているとは言えないタイプだと思います。
そんな、どちらかと言えば内向的な、わたしのすごくおとなしい面を理解してくださり、
全く否定せず、心を解き放っていくような言葉と眼差し、そして心を向けてくださいました。
体全体を使って、成長や進化を喜んでくださったことを思い出します。
不思議と、自分を肯定していく気持ちが出てくるんですね。
音楽院のお偉い先生方から街のおじちゃんおばちゃん、友達、ちびっ子まで集まってきます。
いやはや、こんな大きなところで、わたしのつたないフランス語と身体を使って表現をするなんて、、
と、一度目の舞台はかなり緊張したのを覚えています。
本番に向けて、まずは、生徒自らアイディアを絞って来るところから始まります。
アイディアを先生に説明するのも、フランス語だとかなり難しいのですが、
と、まずは、わたしたちそれぞれのアイディアを採用して、そこからうまく発展させてくださいました。
もしかしたら、無謀なアイディアかもしれない、間に合うような企画じゃないかもしれないと思っていても、
決して否定せず、まずは、目の前にいる生徒が提案したアイディアを一度聞き入れて、やってみる、
そこから、先生がうまく誘導して一つの作品にしていくという作業でした。
そして何より、周りのフランス人学生、フランス語ペラペラ学生が、本当に心温かく受け入れてくれました。
自分のグループで一つの作品、それプラス、ほかのグループとのコラボ作品で舞台は出来上がるのですが、
フランス人たちの表現力の豊かさには、毎回驚かされました。
それでも、わたしの表現を受け入れてくれて、それを尊重してくれる、仲間に入れてくれる。
どの生徒の表現も真正面から受け止め、尊重し、否定しない、
舞台の回を重ねると、アイディアを絞り出すのも少しずつ大変になってくるんですね。。
似たようなことはしたくない、枠組みを同じにして歌だけ変えるようなこともしたくない
でもこれが、出てくるんですよね新しいアイディアが。
生み出すときって、すごくエネルギーが要りますが、いいアイディアが浮かんで、
マルコに見せるとき、すごく嬉しかったことを思い出します。
それ以前の自分だと、これはできないや、と思い込んでいたことも、
これ言ったらなんて言うだろ、、何て微塵も心配することなく、
どんなアイディアでも、なんでも言ってみよう、相談してみよう、やってみよう
そう思わせてくれた先生、マルコは、わたしにとってとてもとても大きい存在です。
あの、熱い熱い、そして温かい舞台を今でも思い出します。
何度もやっているうちに、舞台に上るのが楽しくなってくるんですね。
集まってくださるお客さんが、まず信じられないくらい温かいのと(ノリがすごくいいんですよね)
舞台袖で待機しているほかの生徒も舞台を楽しんでいること、
ヒトは、なかなか変わらない、変われないかもしれないけれど、進化はするんだと思います。
マルコのように、誰かの心を解き放ち、受け止めていけるような、表現者になっていきたいと思います。